たばこのポイ捨てに胸を痛めてきた川崎市立川崎高校(川崎区)の生徒らが、独自の防止策を練り上げ、福田紀彦市長に提案した。「丁寧に考えられたアイデア」と感心した市長は「何とか形になるようにしたい」と前向きに評価した。
地域課題の解決に結び付けようと、同校では「かわさきよいまちづくりプロジェクト」と題する取り組みを実践。本年度は1、2年生が24グループに分かれ、地元商店街の活性化策などを模索してきた。
昨年12月には校内でプレゼンを開催。投票で1位に選ばれたのが、たばこのポイ捨て防止につなげる「チャレンジ☆川崎 夢の国」だった。通学路に目立つ吸い殻を気に留め、上原樹香さん(16)、大石陽翔さん(16)、古川拓希さん(16)さんら13人が考案した。
生徒らは平日と休日の朝昼晩に、JR川崎駅東口でポイ捨ての実態調査も実施。面白みを感じられる吸い殻入れを設置することで回収率が上がると思い至った生徒らは、細長い回収容器を二つ用意し、どちらかに吸い殻を入れることでアンケートに答える形になる仕組みを考え出した。
生徒らの案では、回答結果が一目で分かるよう、吸い殻が棒グラフのように積み重なる専用容器を使用する。見積もりを業者に依頼したところ、製作に数十万円を要することが判明。インターネットで募るクラウドファンディングを活用して資金を集め、実現を目指す予定だ。
1月31日には福田市長にもプロジェクトを説明。大石さんは「街をよくすることは自分たちにとっても良いことだと実感できた」と話した。