まちづくりの推進や地域活性化に取り組む横浜市のNPO法人ちいき未来が、市少年自然の家赤城林間学園が立地する群馬県昭和村と交流促進を計画している。同市と同村は学園の前身、横浜市赤城山市民野外活動センターが1972年にオープンして以来、長年にわたり行政主体で交流を続けてきた。同法人は、観光振興など民間のノウハウを伝授し、市民レベルで友好を深め、中山間地域の活性化に貢献していく考えだ。
ちいき未来は、同市神奈川区の反町駅前通り商店街会長でもある斉藤隆理事長が中心となり、横浜での活動に加え、農山漁村や中山間地域の振興、県内外の自治体との連携による地域活性化支援などを掲げ、昨年8月に発足した。
斉藤さんは従来、2004年に地下化された東急東横線東白楽-横浜間の線路跡地の「東横フラワー緑道」で毎年開かれているフェスティバルや、みなとみらい(MM)線の駅ナカ振興などに取り組んできた。
NPO法人立ち上げ後の本格的な活動の場として、横浜市と友好・交流協定を結ぶ昭和村に着目。昨年10月、同村の秋祭り期間中にメンバーとともに同村を視察し、「横浜の子どもたちが昭和村へ林間学校に出掛ける一方、地元の子どもとの交流が少ないと感じた。市民レベルで農村と都市の交流を進め、村の活性化につなげたい」との思いを深めた。
斉藤さんが感動したのは同村の風景。「まさに日本の原風景。映像を通じてその美しさを発信したい」。同法人理事で同区でウェブサイト制作などを手掛ける会社を経営し、映像や動画づくりに精通する石原祥訓さんらと振興策の具体化を検討した。
視察の際、ドローンを活用して村の子どもたちが自分たちが住む土地の素晴らしさを伝える動画撮影のプログラミング体験を提案した。石原さんは「村側も賛同してくれた。今年の夏休み期間中をめどに計画を具体化し、動画作成のノウハウを村の子どもたちに伝えたい」と話す。横浜でプログラミングなど情報科学を学ぶ専門学生の参加も念頭に置く。
斉藤さんは「市民レベルの交流の中で地域振興のさまざまなアイデアを出し合いたい。村の活性化のために、ぜひ横浜市との協定を有効に活用してほしい」と話している。