性的マイノリティー(LGBTなど)が働きやすい職場づくりを考える企業向けセミナーが12月21日、川崎市川崎区で開かれた。市人権・男女共同参画室が企画した連続講座の2回目。参加者は多様な性を持つ当事者の声から、誰もが自分らしくいられる環境整備の大切さを学んだ。
前回11月に続き、NPO法人「共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」の代表理事、原ミナ汰さん(62)が講師を務め、ゲストスピーカーに心理カウンセラーの熟田桐子さん(61)を招いた。
原さんは女性、男性のいずれにも当てはまらないエックスジェンダーで、熟田さんは40歳で男性から女性への性別適合手術を受けたトランスウーマン。
熟田さんは最近、化粧品のモデルオーディションで自身の性を伝えられなかったエピソードを披露し、「波風を立てないように、と。カミングアウトの戸惑いは一生付いて回るかもしれない」と打ち明けた。
原さんは「カミングアウトは相互作用。こちらが心を開けば相手も伝えてくれるという、ごく当たり前のこと」と指摘。その上で、▽当事者の意向を基に性自認や性的指向の情報をどこまで誰に伝えるか管理する▽多様な価値観を受け止められる支援者をそろえる▽偏見を薄める研修や交流の場を設ける-といった環境調整の必要性を説いた。
最終回となる次回のセミナーは1月25日で、この回のみの参加も可。市役所第4庁舎で午前10時から。申し込み・問い合わせは、市人権・男女共同参画室電話044(200)2316。