
インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)の手法を使い、大磯町のゆるキャラ「いそべぇ」の古くなった着ぐるみを新調するプロジェクトの支援金額が目標としていた100万円に到達した。CFは同町初の試みで、集まった額は6割弱にとどまったが、従来型の寄付が不足額を補う形となった。いそべぇは町担当者を通じ「みんなのおかげで、リフレッシュ&おきがえができるべぇ」と感謝のメッセージを寄せた。
いそべぇは明治時代からタイムスリップしたアオバトの男の子。2011年のデビュー以来、使い続けた着ぐるみがくたびれてきたため、町は今年9月から3カ月間、CFを展開した。
11月30日までに集まったのは103万6193円。しかし、ネット上の反応は鈍く、CFで集まったのはそのうちの6割未満となる57万6千円だった。
一方、CFの取り組みを知った地元の大磯署有志や町観光協会、企業など計7団体から従来の形で寄付が相次いで寄せられた。役場に直接、現金を持ち寄って職員に手渡した人も。役場に設置された募金箱を含め、ネット以外からの寄付金は計46万193円に上った。
今回の取り組みを今後の資金調達の試金石としたい町担当者は「ネットが使えない町民も多く、想定とは少し違う結果になった」としながらも、「CFは資金の目的がはっきりしている分、ふるさと納税より効果は高い。いそべぇファンも多い」と成果を強調する。
3万円以上の寄付者を対象にいそべぇが直接、寄付のお礼に訪問する「いそべぇと遊ぼう券」も5人分を発行。今後、着ぐるみとともにいそべぇ用の法被も新たに製作する。来年2月をめどにお披露目する予定という。