富山県南砺(なんと)市の五箇山(ごかやま)に伝わる伝統芸能などを紹介するイベント「世界遺産五箇山がやってくる」が4日、川崎市立日本民家園(同市多摩区枡形)で開かれた。日本最古の民謡ともいわれる「こきりこ」を、南砺市の「越中五箇山こきりこ唄保存会」メンバー7人が披露した。
1995年に世界遺産に登録された五箇山は、同園で公開されている旧江向家、旧山田家、旧野原家の合掌造りの古民家3棟のふるさと。「こきりこ」は、急傾斜の屋根が特徴的な旧江向家住宅を正面に望む庭で披露され、約200人の来園者が見物した。
こきりこは田楽が起源とされ、短冊状の薄板をひもでつないだ「ささら」や、竹製の昔ながらの素朴な楽器を鳴らしながら五穀豊穣(ほうじょう)を祈る民謡。米国やアジア各国でも公演を行っている保存会のメンバー(66)は「千年前の暮らしに根差した田踊りを次世代に継承していきたい」と話していた。
南砺市観光協会のスタッフが、屋根のふき替えや伝統芸能のある暮らしを語る茶話会を開き、地域を紹介するスライドも上映された。