元三浦市職員でアマチュアカメラマンの渡邊孝明さん(75)=横須賀市武=の写真展が10年の節目を迎えた。約3年半ぶりの満を持した展示会を複合施設「うらり」2階(三浦市三崎)で開催中で、少子高齢化や訪日外国人客(インバウンド)など幅広いテーマを題材に、時代や生活を写した作品を紹介している。
登山が趣味だった20~40代のころに撮影をたしなんだという渡邊さん。2002年に三浦市職員を定年退職後、本格的に学ぼうと東京都内の写真専門学校に4年間通って腕を磨いた。
立体感が出ることなどからフィルムカメラでの撮影にこだわり、自宅の庭に設けた暗室で自らプリントもこなす。「色に惑わされず、主張がストレートに伝わる」とモノクロ写真に徹底している。
写真展は07年から開催。これまでは三浦市内の風景や人物を写したものを展示してきたが、「三浦だけで時代を表現するのは難しくなった」。撮影場所を県外にも広げ、3年ほど撮影に費やして7回目となる今回の発表となった。
会場には、この3~4年で撮りためた作品を中心に市内外を写した37点が並ぶ。「町で出会った、この時代」と題し、横須賀市内のタワーマンションや東京・秋葉原で電化製品を購入した外国人観光客を撮影したものなどを展示している。
「10年は一つの通過点。80代で活躍している先輩もいる。今後も時代や生活を表現し続けていきたい」と渡邊さん。釣りを楽しむ親子や祭りの様子なども紹介しており、「平和な時代を写した場面も見てほしい」と話している。
5日まで。午前9時~午後5時(最終日は午後3時)。入場無料。問い合わせは、渡邊さん電話046(856)5201。