平塚市が整備を進めてきた平塚競輪場(同市久領堤)の新メインスタンドなどが完成し、24日に報道陣向けの内覧会が開かれた。1967年に建設された旧メインスタンドと特別観覧席があった第1コーナー棟が耐震不足が指摘されたのを受け、2015年9月に着工していた。
市によると、総事業費は約38億6500万円(本体工事のみ)。国の補助金と競輪事業で積み立てた整備基金で賄い、一般財源からは拠出していない。
新メインスタンドの延べ床面積は約1万1580平方メートルで旧施設より約2千平方メートル増え、収容人数は6千人。施設内は冷暖房完備でキッズルームや授乳室を設けるなど、幅広い年齢層の取り込みも狙った。
4階にはロイヤル席(入場料5千円)を32席新設、専用のタブレット端末から車券を購入できる。1階にはパブリックビューイングなど多目的に活用できるシアターエリアも備え、競輪場では国内最大級の350インチ(縦4・3メートル、横7・7メートル)の大型モニターを設置した。また、津波発生時などに利用できる一時避難施設も兼ねている。
昨年度の平塚競輪の売り上げは147億円で、毎年一般会計への繰り入れ金があるものの、売り上げは減少傾向にある。内覧会に出席した落合克宏市長は「全国の施設を先導してグレードアップし、競輪全体のイメージ改善を図りたい」と意気込んでいた。
新施設は6月10日に竣工(しゅんこう)記念式典を行い、15日の場外発売から利用を開始、19日に本場開催する。入場料は一般100円。