
JR川崎駅東口の商業施設「川崎ルフロン」内の「丸井川崎店」が来年1月に閉店する。川崎ルフロンの所有法人は、丸井の退去を機に「立地の良さを生かし、周辺施設との差別化も図りながら、さらに魅力的な商業施設としてリニューアルする」と説明。新たなテナントや刷新計画が決まり次第、公表する方針。
丸井グループが今月11日の決算発表で公表した。同グループによると、同店は、バブル期の1988年、1~9階にオープン。売り場面積約1万7千平方メートルを有し、最盛期の売り上げは91年度で169億円に上った。その後に8、9階を返し、現在は1~7階の約1万2千平方メートルで衣服などを販売してきたが、2016年度は39億円まで落ち込んでいた。
同グループは「商環境が変わったため閉店を決めた」としている。駅西口の東芝工場跡地に06年に大型商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」が開業し、さらに武蔵小杉駅周辺にも新たな商業施設が増え、競合が激化していた。
ルフロンは地下2階~地上10階建てで、大店立地法に基づく店舗面積は約4万2500平方メートル。丸井のほか、「ヨドバシカメラ マルチメディア」や専門店など約70店舗が入っている。丸井以外のテナントに変更はないという。
川崎駅周辺では西口のラゾーナの出店で駅周辺の人の流れが変わり、東口の地盤沈下が懸念されている。15年には老舗百貨店「さいか屋」が閉店し、現在は解体中で、地権者は暫定的に2~3階建ての低層の商業施設を設ける予定。
市商業振興課は「30年間近く市民に親しまれた丸井の閉店は寂しく思う。駅周辺の回遊性を高めるような魅力的なテナントが入ることを期待したい」と話している。