アルコール依存症、統合失調症、うつ病など心の病からの回復を祝って行進する「第1回リカバリー・パレード『回復の祭典』in横浜」(実行委員会主催)が10日、横浜市中区で開かれた。当事者、支援者ら約150人が象の鼻パークから山下公園前をパレード。「心の病は治療すれば回復します。隠すと回復が遅れます」と声を上げ、依存症、心の病に対する当事者、社会の理解を訴えた。
リカバリー・パレードは、米国での運動を先例に2010年、東京・新宿で初開催。依存症、心の病に対する社会の無知、偏見を取り除く取り組みとして全国に拡大し、今年は横浜でも開催した。
前半は象の鼻パークで参加者のスピーチが行われ、相模原市精神障がい仲間の会の榛澤昌高さん(47)が津久井やまゆり園での殺傷事件について「社会には障害者への差別意識、誤解が根強く存在している」と指摘。「すべての障害者が活躍できる社会になることを願う。そのためにリカバリーを目指していきたい」と訴えた。
また、薬物依存、アルコール依存、統合失調症などから回復した当事者が次々とマイクを握り、「回復は必ずある」「困難を乗り越え今の私がある」「これから就職する」などと、回復に至った経緯と喜びを語った。
その後、参加者は胸を張ってパレード。「私たちはここにいます」と宣言し、回復者の存在をアピールした。