川崎市宮前区は、市民が編集した地域発見情報誌「ぐるっとみやまえ」を4月に発行した。区内の情報発信グループ「みやまえ情報ラボ」のメンバー12人が企画、取材、編集を手掛けた。市中央卸売市場北部市場(同区水沢)の食堂街を取材し、穴場グルメとして2ページ特集「市場めし」を掲載した。
「市場めし」は、同市場に買い付けに訪れる小売店や飲食業のプロたちが利用するスポットとして紹介。関連棟3階の食堂街にある鮮魚の定食、すし、天ぷら、そば、中華などを提供する全9店舗の人気メニューを、料理の写真を添えて取り上げた。
市場が開く時間に合わせて午前7時ごろから午後1時半ごろまで営業する店が多い。先代から約30年間、店を出す河西英樹さん(43)は「午前5時半ごろに市場の水産棟で仕入れた魚介類をその日のうちに提供している。いまはカツオやアジ、生シラスがおいしい。情報誌を持ってぜひ訪れてほしい」と話す。
情報ラボは、宮前市民館で開かれた情報発信講座の受講者が5年ほど前に設立。今回の情報誌は1年以上前からアイデアを出し合い、手分けして取材するなど制作を進めた。
ラボ事務局長の高木泉さんは「メンバーが推奨する市場の隠れた名店を伝えたかった。新鮮な素材にあふれる市場があり、食堂街で味わえることを知ってほしい」と話している。
情報誌では、イチゴやナシの生産など農業、さまざまな景観が楽しめる坂道、区内在住の外国人などについても特集した。
A4判23ページ。1万部を発行。同区役所、鷺沼行政サービスコーナーなどで無料配布している。問い合わせは、同区役所電話044(856)3133。