レスリングに打ち込むきょうだいが葉山にいる。7月に行われた全国少年少女選手権大会の女子小学6年36キロ級で優勝した姉の浅野稔理さん(12)と、男子小学5年42キロ級で3位に入った弟の稜悟君(10)=葉山町一色。互いに刺激し合いながら、高みを目指す。
逗子市立体育館の格技室に、指導の声や、マットに倒れ込む音が響く。所属する逗子キッズレスリングクラブの練習で、稔理さんと稜悟君が組み合う。
動物のような鋭い目つきで間合いを取り、素早くタックル。ときどきアドバイスを交わしながら、2人は黙々とスパーリングを続けた。
末っ子の称志(のりゆき)君(8)も一緒に、きょうだい3人で4年前から競技を始めた。両親が礼儀作法を身に付けてほしいと、剣道や柔道を体験させたが、気に入ったのはレスリングだった。
「(基本練習の)マット運動が楽しかった」と稔理さん。平日はクラブの練習のほかに近くの高校や大学へ「出稽古」に行き、週末は試合に出場する毎日だ。
昨年の全国大会では3位だった稔理さん。「いろんな人が応援してくれたから、優勝してほっとした」と、うれしそうにトロフィーをみつめた。
稜悟君は3年連続の3位。「次は負けた相手を必ず倒す」。来年3月の選抜選手権での好成績を目標に据えた。クラブの松岡幹夫代表は「2人とも目標に向かって常にまっすぐ。優勝を狙う強い気持ちがある」と期待する。
稔理さんは「技が決まったときが楽しい。中学生までは続ける」。リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得した吉田沙保里選手に憧れる稜悟君は、夢を問われて言い切った。「オリンピックで金メダル」