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「ブラック部活」改善へ海老名市が着手 市立中運動部6割「休養日なし」

話題 | 神奈川新聞 | 2017年4月29日(土) 02:00

 中学校の部活動で休養日を設けないなど行き過ぎがあると指摘されている問題で、海老名市教育委員会は改善に向けた取り組みに着手する。検討組織を月内に設置して5月から本格的な議論をスタート。初の実態調査では、運動部の6割が1週間休まずに活動していることも判明しており、検討結果を受けて年度内に独自の改善方針を策定する。

 この問題は、生徒の自主的な意思で行われている中学校の部活動において、適切な休養を取らず、長時間の練習によりスポーツ障害を患ったり、学業に支障も出たりするなどの事例が散見される。

 教員においても、大会の引率で土日出勤を強いられるなど、長時間勤務や多忙化の一因になっている。文部科学省は昨年6月、業務適正化の一環として各自治体教委に改善策の検討を通知した。

初の実態調査


 こうした状況を受けて同市教委は同9~10月、実態調査を初めて実施。対象は六つの全市立中学校の教員、生徒は各学年1クラスを抽出した。1週間の活動状況、負担感の度合い、教育的意義などについて質問した。

 調査結果によると、教員のうち顧問を務めているのは全体の82%。負担感は平日(朝、放課後練習)が59%なのに対し、土日(試合など)は66%に増加。具体的な負担感としては、競技経験がないなど専門外の指導60%、生徒指導上の問題(部員同士の人間関係)52%、保護者の理解・対応51%だった。

 1週間の活動日数は、運動部で7日が62%を占めて休養日のない学校が多いことが判明。運動部以外でも23%だった。しかし、生徒は「日数が多いと思うか」との質問に運動部で48%が否定的な回答だった。
 

幅広い議論を


 今回の実態調査の結果を踏まえ、同市教委は4月中に部活動検討委員会(仮称)を設置。スポーツ医科学に携わる医師、体育協会、外部指導者、学校、保護者の各代表ら14人の委員を選出して5月下旬から議論を始める予定。

 検討項目は部活動の狙いや、けが・病気などの事故状況、顧問の指導状況の確認のほか、負担軽減のための外部指導者活用や保護者支援、適正な部活動の日数・時間などに及ぶ。

 文科省の通知では、部活動の練習時間や休養日の設定基準を盛り込んだガイドライン策定に加えて、地域の中学校体育連盟と大会運営の見直しに向けた協議も求めている。

 同市教委教育支援課は「休養日の多寡を含めて部活動の在り方について、専門家や保護者の方にも参加してもらって幅広く議論したい。けが・病気など事故の実態も議論の過程で必要があれば調べていく」と説明している。

 
 

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