県内公文書館、公立図書館職員や自治体史の編さん担当者らが7日、横浜市中区の神奈川新聞社を訪れ、本社報道写真の保存状況などを視察した。
県歴史資料取扱機関連絡協議会(加盟21機関、会長=井村浩章・県公文書館長)の研究会として行われ、県内各地から資料保存の専門家ら27人が参加、写真の保存、利用を巡って本社の取り組みへの質問や各館の現状と課題を報告した。同協議会の本社視察は初。
本社は創刊(1890年2月1日)以来の新聞紙面とは別に、戦後からデジタル写真が主流になるまでの半世紀余にわたって撮影された50万こまを超すアナログ写真を所蔵している。ネガやプリントの分類整理、デジタル化を進めていることを資料の実物や実際に使用している機材、プロジェクター画面を使ってアーカイブズ担当者が説明した。
鶴見事故や戦車闘争、城山ダムに沈む町の様子など歴史的価値の高い報道写真を紹介。少女時代の美空ひばりには参加者も興味津々だった。参加者の要望に応じて投影した1950年代の厚木の商店街の写真には、「この店、覚えているわ」と、懐かしそうな声も上がっていた。