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鉄道コラム 前照灯(149) 
三重のナローゲージ(上) 小さくカラフルな車体

話題 | 神奈川新聞 | 2013年5月24日(金) 12:00


 大型連休を利用して、三重県北部の小さな鉄道を訪ねた。近鉄の内部(うつべ)・八王子線と三岐(さんぎ)鉄道北勢線。いずれも線路幅が狭い「ナローゲージ」。かつてこのような軽便鉄道は全国にあったが、現在営業運転をしているのはほとんどない。そのうちの2路線がここにある。

 まず乗ってみたのは内部・八王子線。「しまかぜ」などの人気特急列車も往来する高架の近鉄四日市駅。その下に取り残されたように島式のホームがある。列車の多くは3両編成。ピンク、黄色、緑色などパステルカラーがかわいらしい。

 明らかに車両の幅が狭い。足の長い人なら、ロングシートに座ると、向かいに座った人の膝に触りそう。クロスシートの車両もあるが、座席は一人掛けで路線バスのよう。老朽化し、冷房もない。

 内部線は内部までの5.7キロを17分で結ぶ。八王子線は日永(ひなが)で分かれ、西日野まで1.3キロ伸びる。田園地帯をのどかに走る単線電車だが、経営はのどかでない。近鉄によると、旅客はピーク時から半減し、年間赤字額は3億円弱。BRT(バス高速輸送システム)化を提案した。

 「決断期限はことし夏」という近鉄。地元自治体や議会では存続を求める議論が続く。各駅には「乗って残そう内部・八王子線」の「のぼり」がはためく。1912(大正元)年の開業から百年超。廃線にするのは惜しい、が妙案は見つかっていない。(a)

 
 

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