
国内貨物を海上輸送する内航船の船員が不足する中、国土交通省関東運輸局(横浜市中区)は管内の水産系高校の生徒を対象にした安全体感研修会を開いている。船内などでの作業中の事故を想定したもので、危険への感受性を高めるきっかけとなっている。
研修会は水産系高校の生徒が内航船員として就業するに当たり、安全意識を養い現場での危険防止に役立てようと、同運輸局が2012年度から実施している。

三井造船千葉事業所(千葉県市原市)の安全研修センターで3月中旬に行われた研修会には、県立海洋科学高校(横須賀市)の生徒20人が参加した。実際の事故を想定した墜落や感電、爆発、やけどなど23項目で疑似体験した。
生徒らは安全帯を装着して実際にぶらさがり墜落時の衝撃を感じたり、荷物とつり上げるワイヤに手を挟まれたりと、さまざまな“事故”を体感。爆発による衝撃や大きな音に驚いた様子を見せた。講師からは安全に作業する上での注意点や自分の身を守る方法を教わった。