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鉄道コラム 前照灯(139) 
ふらり久留里線の旅路 キハ30を見送る

話題 | 神奈川新聞 | 2012年12月28日(金) 00:00


 久留里線のことは気になっていた。気動車の小さな領国をけなげに守っている。褒めてあげたいが、盲腸線を訪ねる機会はなかなかないものだ。だが今年(2012年)は内房線とともに開業100周年。現役最後のキハ30も引退する。出掛けねばなるまい。

 木更津から乗ったのはキハ30100を含む2両編成だった。この車番100のキハ30は0番台のしんがりで、1966年の製造。記録によると、亀山、伊勢、八王子と転属を重ね、1986年茅ケ崎に配属。相模線電化の1991年に木更津へ転出した。あの外吊りドア。懐かしい。


 「お乗りの方は押して」と表示のある開閉ボタンも残るが、もう使われないままに黒ずんで歴戦の古傷のよう。スイカに対応しない線区のため、車掌のほか検札の乗務員がしばらく同乗した。晩秋であった。土手のススキが輝き、小櫃川の美しい蛇行も垣間見えた。

 終点の上総亀山。線路は名残惜しげに車止めに至る。言い交わした仲の、その名も木原線(現いすみ鉄道)とはついに結ばれなかった。商店の縁台にお年寄りたちが所在なげに腰掛けている。お天気も上々。あいさつしたら「いい写真撮れたかね」と笑顔が返ってきた。

 久留里線に3両きりだった生き残りのキハ30は12月1日、その一族とともに任を終えた。譲渡先に向けて機関車に引かれていった。(F)

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