
横浜市西区の市中央図書館で、浮世絵師五雲亭(歌川)貞秀の企画展「『貞秀ワールド』へようこそ」が開かれている。担当者は「貞秀の細心かつ精緻な描写を堪能してください」と来場を呼び掛ける。19日まで。
貞秀は1807年生まれとされ、67年のパリ万国博に出品する際に浮世絵師総代を務めるなど高い評価を受けた。絵図や地図を空から見て描いたような作風から『空飛ぶ絵師』とも呼ばれる。中でも開港後に横浜を画題として描いた浮世絵版画「横浜浮世絵」では、数多くの作品を残した。
企画展には約30点が並ぶ。「野毛村切通より横浜遠望」「横浜異人商館座敷之図」「横浜鉄橋之図」といった横浜浮世絵のほか、貞秀が横浜の名所や外国人の風俗などを挿絵や文でつづった案内記も紹介。挿絵画家としての作品も展示され、浮世絵師の枠を超えた足跡がたどれる。
関連書籍も置かれ、担当者は「刻々と変わる当時の横浜の街並みも楽しめます」と話す。
入場無料。問い合わせは、同図書館電話045(262)0050。