
「古き良き日本の着物文化を発信したい」-。鎌倉市の装飾品デザイナー梅沢杏奈さん(39)が奮闘を続けている。3月には海外のファッションブランドの新作発表会にも出展。アンティーク着物をリメークした作品をPRする。梅沢さんは「今の時代でも楽しめるものとして広めていければ」と意気込んでいる。
梅沢さんは明治から昭和初期の着物生地を小物や衣類に加工して販売する会社「マリエフルリール」を運営。元々、カジュアル衣料品店「ユニクロ」で店長を務めたり、アパレル小売業に従事したりするなど「とにかく服が好き」(梅沢さん)という。
梅沢さんによると、以前にも増して着物離れが加速している。「生活習慣が変化したり管理が難しかったりするのが要因」と梅沢さん。古い着物は買い取りなどが難しく、廃棄されるケースも少なくないという。梅沢さんは「第2次世界大戦中の着物は物資が乏しい中で作られたため生地が薄く、繊細な布が多い。戦中に焼けてしまったケースや経年劣化もあり希少なものだ」と語る。