木彫の表現拡大に挑戦し、躍動感あふれる作品で知られる藤沢市在住の彫刻家桒山賀行(くわやまがこう)さん(75)が、優れた芸術活動を表彰する2022年度日本芸術院賞を受賞し、12日、藤沢市役所を訪れ、鈴木恒夫市長に受賞報告を行った。
受賞対象になったのは、22年第9回日展出品作品「過ぎし日」。日本芸術院は「幼い頃のふるさとの風景に狙いを定めた心象彫刻とも言える趣のある作品」と講評した。
桒山さんは愛知県常滑市出身で、1966年に彫刻家澤田政廣に師事し内弟子となり、69年に日展に初入選。78年に独立し藤沢市に移住し、アトリエを構えた。視覚障害者に彫刻鑑賞の機会を提供しようと、92年からは、同市内で「手で触れて見る彫刻展」を開催。誰もが造形に触れ、楽しむことをモットーにしている。
鈴木市長から花束を贈られた桒山さんは「受賞の知らせを受けたとき、もう少し頑張れと言われているような気がした」と、創作活動に改めて意欲を示した。
授賞式は6月下旬、日本芸術院会館(東京都台東区)で行われる。(宮崎 功一)
藤沢在住の彫刻家・桒山さん、日本芸術院賞の受賞を報告
鈴木市長(右)から花束を贈られる桒山さん=藤沢市役所 [写真番号:1153194]
日本芸術院賞受賞対象作品「過ぎし日」(藤沢市提供) [写真番号:1153193]