藤沢市は犯罪が起こりやすい場所に着目し、犯罪の未然防止につなげる「犯罪機会論」に基づく「防犯体験学習VR(仮想現実)」を制作した。同理論の第一人者である立正大学の小宮信夫教授(犯罪学)の監修の下、全国の自治体で初めて導入。ホットスポット(犯罪多発地点)を絞り込み、犯罪発生のリスク低減に役立てる。
犯罪機会論は不審者などの人ではなく、犯罪者が選ぶホットスポットを特定し、犯罪発生のリスクを予測して未然防止につなげる理論。小宮教授は同市の「地域安全マップづくり」などに携わっており、市はこの考え方を取り入れ、市民の間に普及させることを目的に防犯体験学習VRを制作することにした。
VRでは市内の道路、公園、海岸など実際の風景を映像化。小宮教授の助手という想定のキャラクター「コミリス」が登場し、クイズ形式で犯罪者が入りやすく逃げやすい場所やコンクリート、ブロック塀に囲まれ周辺の家屋から見えにくい場所を360度見回しながら特定してもらう内容。
VRの試写会がこのほど、同市役所で開かれ、鈴木恒夫市長、阿部勇藤沢署長、板垣武志藤沢北署長、小宮教授(オンライン)が参加。防犯パトルールなど防犯活動に携わる市民に体験してもらい、地域の安全安心の確保へ向け有効活用することを確認した。(宮崎 功一)
犯罪起きやすいスポットはどこ?藤沢市、体験学習VR制作
防犯体験VRの有効活用を確認した鈴木市長(右から3人目)、阿部藤沢署長(同2人目)、板垣藤沢北署長(右)=藤沢市役所 [写真番号:1150024]