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大磯の築120年超古民家改装、私設図書館ににぎわい

話題 | 神奈川新聞 | 2023年1月10日(火) 05:40

古民家を改装した私設図書館で緩やかな時を楽しむ経営者の工藤隆さん(左)と小笠原友理さん=大磯町西小磯

 明治期から別荘地として栄えた大磯町に、当時から残る古民家を再生した私設図書館「日暮らしの時間2ndプラス」(同町西小磯)が人気を呼び、にぎわいを見せている。経営する工藤隆さん・小笠原友理さん夫妻が目指す「人が人を呼ぶ施設」には落ち着いた喫茶店や書斎のような緩やかな雰囲気が漂う。癒やしと安らぎを求め、町内外から利用者が足を運んでいる。

 箱根駅伝のコース沿いでもある、大磯町・松並木近くの一角に、ひっそりとたたずむ古民家。ガラガラと引き戸が奏でる音はどこか懐かしい。二宮町で古民家カフェを開いていた二人だったが、私設図書館は大磯町内でもアンティーク店を経営していた工藤さんが紹介を受けたのがきっかけで開設。自ら手がけて3カ月で改装し、2022年3月にオープンした。

 工藤さんは「目指したのは酒田(山形県)の祖母の家。年を重ねると古いものが好きになってきた」。非日常をゆったりと楽しんでもらおうという空間に誘われ、高齢者が同世代の友人を連れて訪れるようになり、人づてに認知されていったという。小笠原さんは「人生の先輩から『人は宝』と経営のアドバイスをいただいたことも。娘みたいに叱咤(しった)激励してくれたのはありがたかったですね」と振り返る。読書以外にもテレワークや犬の散歩、バス待ちなど目的はさまざま。古民家を探す希望者の相談に乗ることもある。

 歴史がある町だけに、所蔵していた本を寄贈してくれる人も現れ、約千冊から始まった蔵書は今や1万冊に。コレクターによるこだわりの一冊から、専門書、時には国立国会図書館級の“お宝”ものまで並んだことも。所狭しと書籍や雑誌類が並ぶ本棚を見据えて「地元のおばあちゃんたちが大切にしてきた本。宝探しのような感覚で自分の一冊に出会ってほしい」(小笠原さん)。読み切ることができなければ、名前と連絡先を示して無料で2週間借りることもできる。

購入できる椅子やテーブル

 
 

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