
1日で発生から99年を迎えた関東大震災に関連する写真展が、横浜、秦野の両市内で開かれている。恒例となった横浜の企画では空撮の写真などを活用し、大火に見舞われた当時の市街地を概観。秦野では、土砂の崩落によってできた「震生湖」の歴史を振り返っている。
横浜市民防災センター(同市神奈川区)で同日から始まった「横浜の関東大震災と復興」展(17日まで)は、震災記録の収集や調査を重ねる市民グループ「ジオ神奈川」などが協力している。

震災直後の1923年9月3日と同5日に陸軍航空学校が上空から撮影した横浜の写真を活用。現在の地図に重ね、横浜駅付近や関内、本牧周辺の焼失状況が分かるようにした。
また、猛火で焼け落ちた数々の橋に着目し、写真などで当時の状況を伝えるとともに、震災後に架けられ現存する大岡川の「復興橋」を取り上げた。逃げ込んだとされる4万~6万人の大半が助かった横浜公園の「奇跡」も紹介している。
ジオ神奈川の蟹江康光代表は「来年の100年に向けてさらに調査し、成果を発表したい」と話す。
国の登録記念物に指定
横浜、秦野で写真展 大火の市街地、震生湖歩みも
関東大震災の被害状況を説明するジオ神奈川の蟹江由紀事務局長=横浜市民防災センター [写真番号:1109719]
絵はがきに用いられた昭和初期の震生湖(秦野市提供) [写真番号:1109720]
紅葉の震生湖を写した観光写真コンクールの特選作品(1980年、秦野市提供) [写真番号:1109722]
1971年に撮影された震生湖(秦野市提供) [写真番号:1109723]