三浦市三崎3丁目の人気ドーナツ店「ミサキドーナツ三崎本店」が今年、開店10周年を迎える。三崎下町地区の活性化を願い、ライブなどの文化活動も定着。「歴史を感じる街のたたずまいを大切にしながら、新しいことに挑戦したい」と気持ちを新たにしている。
同店は2012年12月、代表取締役の藤沢宏光さん(63)が中心となり、老舗時計店の建物を改装してオープン。人口減や景気の低迷で苦境が続く下町商店街をもり立てようと、既存店と競合せず幅広い世代が楽しめるドーナツ店にした。
開店当初は認知されず苦労した。活路を見いだそうと1年おきに逗子店と鎌倉店を出したもののなかなか打開できず、ようやく軌道に乗り始めたのは15年ごろ。「女性スタッフたちが安全で味にこだわる商品を作り続けたことが評判を呼び、口コミで広がった」と藤沢さんは振り返る。
ドーナツの種類は開店当初の10種類から20種類以上に増え、店舗も三浦半島を中心に6店を展開。三崎本店は休日になると家族連れや若者の列ができるほどになった。