神奈川県内有数のナシの産地、伊勢原市で人工授粉作業がピークを迎えている。市内の畑では、生産農家が機械を使い、満開となった白いナシの花に花粉を付ける作業に追われていた。
授粉作業は確実に実を成長させるための工程の一つ。JA湘南果樹部会委員長の和田新一さん(60)の畑では、先端にダチョウの羽根が付いた機械を使い、甘みがあってシャリシャリした肉質が特徴の「幸水」のめしべ一つ一つに丁寧に花粉を吹きかけていた。
ナシは虫が花粉を運ぶことで受粉する虫媒花。かつては市内でもハチやチョウなど虫に任せて受粉させていたが、実の大きさや生産量にばらつきが生じるため、30年ほど前からは人の手で作業が行われるようになったという。
和田さんは「4月に入って気温が上がり、成長は少し早め。これからの天候次第だが、8月10日ごろから収穫が始められれば」と話した。(最上 翔)
伊勢原のナシ畑が満開 実りの秋に向け人工授粉ピーク
満開を迎えた白いナシの花に専用の機械を使い授粉作業を行う和田さん=伊勢原市伊勢原4丁目 [写真番号:1081515]