他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. 神奈川県民歌に新たな謎(下)歌は世につれ、世は歌につれ

追う!マイ・カナガワ
神奈川県民歌に新たな謎(下)歌は世につれ、世は歌につれ

話題 | 神奈川新聞 | 2022年3月22日(火) 05:30

 神奈川県民歌を巡るさまざまな謎を追ってきた「追う! マイ・カナガワ」取材班に、元県職員の男性(78)=厚木市=から新情報が寄せられた。「県民歌『光あらたに』の4番の歌詞が公害を思わせると歌わなくなった後、新たな県民歌が作られ、学校などに普及されたが消えてしまったように記憶している」。県民歌には、歴史に埋もれた“幻の3曲目”もあったのか。男性の気になる投稿を追ってみると─。


町の繁栄の象徴

学校の屋上から見える京浜工業地帯の工場風景。高橋義成校長が指さす方角には白煙を上げる煙突も見える=横浜市鶴見区の横浜市立下野谷小学校

 4番の歌詞をめぐっては、元小学校教諭の男性(80)からこんな思いも取材班に寄せられた。

 「私が勤務していた小学校の校歌には『うなる機械に火花はとんで/煙は高く大空に/工都の栄えを誇っている』とあり、力を込めて大きな声で歌ってきました。だから、県民歌の4番をなくしたことに納得がいかない」

 男性の思いを胸に、この校歌がある横浜市鶴見区の市立下野谷小学校を訪ねた。

 大手鉄鋼メーカーの工場が近く、屋上からは京浜工業地帯の工場群も見渡せる。70年代以降、大気汚染物質の排出規制が強まり黒煙は姿を消したが、燃料を燃やした際に出る白煙が、令和の時代ももくもくと煙突から上がるのが見えた。

 高橋義成校長に話を聞くと、校歌は県民歌制定から5年後の55年に作られたという。ちょうど、戦後復興期から高度成長期へと向かっていた時代だ。

 「当時は工場で働いている人の子どもたちが多かったと思う。今でも歌詞は変わらずに歌い継いでいて、『煙は高く大空に』の歌詞は町の繁栄の象徴だったのでしょうね」

「けむりんこのうた」って?

 
 

追う!マイ・カナガワに関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング