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きんときやま 標高1212メートル
かながわ百名山(3)金時山

話題 | 神奈川新聞 | 2022年4月16日(土) 05:00

頂で眺める富士の絶景

明神ケ岳方面からの金時山。富士山をも食わんとするようなとがり具合はまさにイノシシの鼻

 箱根外輪山の最高峰である。かつては箱根火山本体から火道(マグマの通り道)が分かれた寄生火山とされていて、残念なイメージがあった。が、近年の地質学の進歩により、独立した一人前の火山と認められるようになっている。

 山名は10世紀後半、源頼光の四天王の一人であった坂田金時(金太郎)にちなむ。歴史上の人名が山名となった例はかなり珍しい。伝説のにおいはあるが、人名がつく山の知名度なら全国トップクラスだろう。

 箱根ハイキングでは人気ナンバーワンを誇る。その理由はなんといっても山頂での大パノラマに尽きよう。まずは富士山。前方に遮る山はなく、その全貌をさらしている。身内である箱根一円の山々も、火山活動で鍋状に大きくくぼんだカルデラ地形の箱庭でも見るかのようだし、仙石原の広がりの背後にちらりと見える芦ノ湖がいいアクセントになっている。山頂にある2軒の茶屋で出されるキノコ汁やうどん類も、ハイカーにはお楽しみだ。

金時山山頂から富士山の絶景

 ただ、ピークに至るラストの登りがきつい。これは山の姿が反映された別名である猪鼻ケ岳(いのはながたけ)そのままに、山頂周辺が急角度でそそり立っているためだ。その険しさゆえに遠方からでも見分けがつきやすい。横浜周辺から見ても、箱根の中心部とはちょっと離れて、ピラミダルなシルエットで毅然(きぜん)とそびえ立っている。そんな姿に、ネーミングの希少性を誇り、地質学的な名誉回復(?)もなされた、この山の矜持(きょうじ)を感じてしまうのである。

 ※金時山の標高は2014年、国土地理院により従来より1メートル低い値に改訂された。

おすすめコース

難易度=一般登山クラス

 小田原駅(JR・小田急)≪バス≫乙女口─乙女峠─金時山─矢倉沢峠─仙石≪バス≫小田原駅【所要約3時間】

アドバイス

 行程は長くなるが、明神ケ岳方面から正面にだんだん近づく金時山をながめながらの稜線(りょうせん)歩きも爽快である。

 
 

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