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鉄道コラム 前照灯(303)
ムンバイ近郊鉄道はラッシュにご注意! ドアが開けっ放し

話題 | 神奈川新聞 | 2019年10月5日(土) 00:00

乗降客が行き交うチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅のホーム=ムンバイ

 南アジアの金融センターでもあるインド西部の商都ムンバイは、都市圏人口が2000万人を超える。主要駅は、インド全土から機会を求めてやってきた人々が行き交う。

チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅の駅舎は世界遺産でもある

 ムンバイの街はアラビア海へ南に突き出した半島に広がる。南端部にあるコラバ地区の旧市街地は、二つの終着駅を持つ。チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス(CST)駅は、英国統治時代の1888年に建てられた。荘厳なゴシック建築の駅舎を誇る。地元の人には、旧名の「ビクトリア・ターミナス」のほうが通じやすいらしい。

通勤客で混み合うムンバイ南端のチャーチゲート駅

 もう一つは、官庁街にあるムンバイ近郊鉄道の終点、チャーチゲート駅だ。ここで現地NGOのスタッフと改札口で待ち合わせて、切符を買ってホームへ向かう。市街地の北にあるマヒム駅まで、20分ほど揺られる。

 近郊鉄道の電車は、ドアが開きっぱなしで走る。朝夕には通勤客で想像を絶する混雑となるからだ。ドアを閉めるまで発車できないとなると、定時運行を阻むことにつながる。走る電車からの転落事故も続発しているが、安全確保は乗客の「自己責任」にゆだねざるを得ない。

ムンバイの市街地を走る近郊鉄道。ドアは走行中も開いたまま

 目的地は、「アジア最大級」ともいわれるスラム、ダラビ地区。案内役のNGOは現地のスタディーツアーを提供し、得た資金を現地の生活向上に充てている。若いスタッフたちも、またダラビのスラム育ちだ。

 一帯は大変な過密地。2平方キロの区域に100万人が身を寄せる。粗末な小屋がひしめく迷路のような街路に分け入る。

 だが、ステレオタイプな貧困や悲惨さは感じない。ダラビの経済活動は非常に活発だ。縫製、リサイクル業、皮革、陶業…。ガイドのラジ君が「ムンバイにとってダラビは経済のエネルギーですよ」と、笑う。

ダラビ地区でNGOが開いている塾

 スラム内は写真撮影NGだが、ある部屋に案内されたときには、頼んだらOKが出た。スラムの子どもたちのためにNGOが開いている塾。巣立った人材が、大都市経済の活力になるかもしれない。ちょっとぐらいの電車の混雑なら、ものともしないに決まっている。先輩たちのように。

 
 

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