神奈川新聞厚生文化事業団は、摂食や嚥下(えんげ)障害者を対象に、やわらかさや食形態を調整した嚥下食のランチ会を開催した。会場は新横浜駅近くのフランス料理店「創作料理メゾンHANZOYA」。4組13人の障がい児者と家族が、加藤英二シェフの料理を堪能した。
従来の嚥下食は、安全性や栄養面に配慮されているものの、味気ない印象があった。フランス料理の技法でそれを補えることに気付いた加藤さんは、ムース、ピュレ、ジュレなどの調理法を活用し“五感で楽しめる嚥下食”を実現した。
「嚥下食として特別視するのではなく、フランス料理の延長として、健常者の家族や友人と一緒に同じものを食べて楽しむことができるのが最大の魅力」と加藤さん。その考えからフランス語で「ほっとする」「優しい」を意味する「スラージュ」と命名した。
11月27日に行われたランチ会で、横浜市戸塚区の江﨑佳奈子さんの母浩子さんは「フレンチのコース料理を家族みんなでおいしくいただきました。何より娘の笑顔をたくさん見ることができたのがうれしい」と話した。