終戦直前に神奈川県平塚市中心街を米軍機が襲った平塚空襲から76年がたった16日、戦火の悲劇を伝える特別展が同市博物館(同市浅間町)で始まった。
同館のワーキンググループ「平塚の空襲と戦災を記録する会」が地道なフィールドワークで、埋もれていた歴史に光を当てた調査結果も展示。当時の証言を資料などから裏付けし、死者数もこれまでの研究結果を修正。空襲を体験したメンバーは「正しい歴史を後世に伝えなければ」と強い使命感を抱いている。
「弟と妹が自分たちの死を無駄死にさせないでと訴えているよう」。同会会長の江藤巖さん(88)は声を絞り出す。
特別展に展示された空襲翌日の1945年7月17日の平塚第2国民学校の日誌。その「戦災記事」の欄に死亡した児童の名前が6人書かれ、その中に10歳と7歳で亡くなった妹と弟の名前もあった。
10年ぶりに死者数修正
平塚空襲76年、真実伝え続け 戦災遺族らの調査研究展示
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平塚空襲で亡くなった妹と弟の名前が死亡者として名前が書かれている当時の学校の日誌を指さす江藤さん=平塚市博物館 [写真番号:702876]
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76年前の平塚空襲の様子を描いた絵なども展示されている特別展=平塚市博物館 [写真番号:702878]