1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. 間もなく10歳、髪を寄付 震災直後生まれ「誰かの役に」

3・11東日本大震災10年
間もなく10歳、髪を寄付 震災直後生まれ「誰かの役に」

話題 | 神奈川新聞 | 2021年3月20日(土) 11:30

ヘアドネーションに協力した山口みなみさんと、母みゆきさん=17日午後、横浜市都筑区

 間もなく10歳の誕生日を迎える横浜市都筑区の小学4年の女の子が、ずっと伸ばしてきた髪を切った。病気や事故で頭髪を失った子どもたちに医療用ウィッグ(かつら)を贈るヘアドネーションに協力するためだ。

 髪を寄付する活動があることを伝えた母親は、東日本大震災直後の混乱期に生を受けた娘の決意に成長を実感。「これからも困っている誰かのために行動できる人であってほしい」と願う。

 17日に同区の美容室を訪れたのは市立山田小4年の山口みなみさん(9)と母みゆきさん(47)。

 みなみさんはこれまで毛先を数回整えた程度で、この日は膝の辺りまであった髪を50センチ以上カットした。カット前は「自分の一部がなくなってしまう感じ」と緊張した様子だったが、切り終えてから髪の束を手にすると「誰かのために役に立てると思うとうれしい」と笑顔を見せた。

震災10日後に生を受け

 東日本大震災から10日後の2011年3月21日生まれ。もうすぐ10歳になる。母みゆきさんにとって、まな娘が生まれた当時の記憶は今も鮮明だ。

 同区の自宅にいるとき、大きな揺れを感じた。「大きなおなかで、5歳の次男と机の下に潜り込んだ」。東北の惨状が伝えられるニュースを見ながら「出産への不安が募った。無事、みなみが生まれた時にはほっとした」。予定日より2週間ほど早かったが、「計画停電や余震が続く当時の不安な心情と無縁ではなかったかもしれない」。

 娘の誕生日を迎えるたびに命の尊さをかみしめ、今も苦しむ人たちがいることをみなみさんを含め3人の子どもたちに伝えている。「自分の身は自分で守ることと、困っている人に思いを寄せて手を差し伸べられる人に育ってほしい」。

 だからヘアドネーションの話をしたとき、みなみさんが「協力したい」とはっきり意思表示したことが心強かった。

 肩ほどの長さになった髪形に「大人っぽくなった」と喜んだみなみさん。将来は見る人を元気づけるダンサーになることを夢見る。「髪を切ったことで私の気持ちが変わったように、ウィッグを付けることで誰かが前向きな気持ちに変わってくれたらいいな」。

 みなみさんの髪は、小児用ウィッグの無償提供に取り組むNPO法人を通じて活用される。(沢村 成美)

寄付・寄贈に関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング