かつて小田原市内を走り、64年ぶりに長崎から「帰郷」した路面電車「市内線モハ202号」の一般公開が12日、同市南町の報徳広場で始まった。地元有志がクラウドファンディング(CF)で資金調達に汗をかき実現。今年で“96歳”を迎える車両は懐かしの城下町で第二の人生へ「折り返し運転」を始めた。関係者は「街の新たなシンボルに」と熱い視線を注いでいる。
小田原の路面電車は箱根登山鉄道が1935年から56年まで運行。国道1号を走り「チンチン電車」の愛称で親しまれていたものの、自動車の交通量の増加に伴い廃線となった。
公開された車両は25年に製造され都内を走行。小田原では52年から4年間を過ごし、廃線後は長崎電気軌道の路面電車として2019年まで60年以上務めを果たしてきた。
交流広場で往時再現 車内の様子は
64年ぶり帰郷の路面電車 小田原のシンボルへ“再出発”
-
64年ぶりに里帰りし、公開が始まった路面電車「モハ202号」と小室さん=小田原市南町 [写真番号:542668]
-
関係者限定で公開された「モハ202号」の車内 [写真番号:542667]