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三浦半島・西海岸物語20
御用邸近くのカフェサロン 大震災と揺るがぬ決意@葉山

話題 | 神奈川新聞 | 2021年3月11日(木) 14:00

 穏やかな空気が流れる葉山町一色の海沿い。葉山御用邸近く、木造の一軒家で、山根佐枝さん(53)はカフェ&サロン「やまねこ」を営む。東京育ちの山根さんが、大好きな葉山に根を張って生きると決め、この場所に開いて10年。「来てくれた方に、ちょっとでも幸せな時間をつくる。そんなお手伝いをしたい」。変わらない思いを抱き続ける。

「やまねこ」の前で笑顔を見せる山根さん

 扉を開くと9席のカウンター。窓をのぞくと、海岸への小道が目の前に広がる。

 「海の近くの物件をずっと探して、ここに決めて。予算オーバーだけど、続けられる限り楽しんでやろうと」

 2011年3月11日。契約を決めた帰り道、東日本大震災が起きた。

 大きな揺れ、停電…。不安の中でも引かず、葉山に根を張ろうと決意した。やまねこと、フリー編集者の仕事を両立してきた。

 実家は東京・銀座の老舗日本料理店。30代まで出版社でファッション誌を担当して充実と激務の日々を送ったが、多忙を極め、人生を見つめ直そうと退職。都内で1年半ほど食堂を営んだ後、海やサーフィンが好きで長年通い、友達も多くいた葉山に拠点を移した。

 10年の歩みは「大繁盛はなくて、一喜一憂してきた」と笑う。「でも、きらきらと繁盛することより、誰かに少しでも幸せな時間を感じてもらえることを大切にしてきた」

やまねこの窓から見える、海に続く小道=葉山町一色

 高齢の女性が地元食材の総菜を届けてくれ、店のメニューに加えると喜ばれた。夏には常連客や海水浴客が集い、訪れた人が奏でるギターも加わり、楽しい夜を過ごした。ハロウィーン仮装大会や鮎料理の会など、訪れる人がアイデアを出し合って、楽しいひとときをつくってきた。

 長年連れ添った妻が入院したさみしさをこぼした男性や、家族の悩みを打ち明けた人も。お客さんの人生の変わり目を聞いたり、笑顔で店を去って行く人を見送ったりするたび、「大切な時間と感じてもらえる場を続けたい」と感じる日々だ。

 コロナ禍が続き、現在は予約制で営業。カフェのほか、着物やウクレレのワークショップなどを少人数で開いている。スタイルは変わっても「心と体の健康や、幸せな時間を提供したい。次は優しい自然と個性豊かな人がいる、葉山の魅力を案内するツアーもやりたい。プランを練らなきゃ」と、山根さんは自然体で前を向く。(竹内 瑠梨)

コロナ禍以前は、訪れた人々が浴衣でにぎやかに過ごすイベントなども開催した(山根さん提供)
やまねこそばの小道を歩けば、一色海岸が広がる

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