地域の子どもたちに居場所を提供している川崎市高津区のこども食堂「菜の花ダイニング」が運営に苦心している。市の助成金は次回で上限に達する一方、コロナ禍でかさむ感染対策費が重くのしかかる。代表の佐藤由加里さん(55)=同区=は「楽しみにしている親子連れのためにも続けていきたい」。かけがえのない笑顔を絶やさないために、協力を呼び掛けている。
菜の花ダイニングは子どもが1人で食事を取る「孤食」を減らそうと、2017年5月に始めた。現在は月に1度、同区の「プラザ橘」で季節感のある手作りのメニューを格安で提供。毎回100人弱の親子連れらが訪れ、調理師や栄養士が考案した温かい食事を囲んで会話を弾ませている。
しかし、これまで寄付金とともに運営費の柱にしてきた「かわさき市民活動センター」の助成金は次回で上限に達し、申請資格を失う。加えて新型コロナウイルス感染症の拡大で食器を使い捨て容器に替え、使い捨てのグローブやペーパータオルの使用量も増加。「消毒用アルコールを一斗缶で買ったこともある」といい、出費はかさむ一方だ。
食品配布に変更も
川崎・高津のこども食堂、苦しい運営 かさむ感染対策費
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寄付を呼び掛ける佐藤さん=川崎市内 [写真番号:496333]
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「菜の花ダイニング」が提供するメニュー(同食堂提供) [写真番号:496334]