日本バレエ文化の発祥は、鎌倉・七里ガ浜といわれている。1919年にロシアから来日したバレリーナ、エリアナ・パブロバが国内初のバレエスクールを開いたのが始まりという。言葉が通じない異国でも、創作や指導に情熱を注ぎ続けたエリアナは今年、没後80年。亡き後も妹ナデジダや弟子たちが受け継ぎ、バレエ文化の礎が築かれてきた歴史が、鎌倉に伝え残されている。

エリアナは1897年ごろにコーカサスで生まれ、ロシア革命を逃れて母ナタリア、妹ナデジダと来日。神戸や横浜などを経て後援者がいた鎌倉で暮らし始め、1926年ごろ七里ガ浜にスクールを開いた。
潤光学園(現・法政大学国際高校)でもバレエを教え、全国を回って20年で80回以上の公演と310作品を披露。弟子と映画出演するなど、あらゆる角度からバレエを身近にした。
エリアナ・パブロバの足跡今も バレエ発祥の地@七里ガ浜
七里ガ浜の浜辺で踊るエリアナ(中央)と生徒たち [写真番号:480540]
企画展ではエリアナのさまざまな表情をとらえた写真も並ぶ=市川喜多映画記念館 [写真番号:480542]