相模原・県央地域では、地域の歴史を学べるかるたや紙芝居、昔話を多くの人が親しみ、伝えてきた。持続可能な将来を考えるカードゲームも登場し、子どもたちの教材にもなっている。新型コロナウイルスの影響で今年は例年とは違った正月の過ごし方になる。この機会に家族で楽しんでみてはいかが-。
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取り札1枚の大きさが縦60センチ、横42センチ。そんな巨大なジャンボかるたを屋外の広場で子どもたちが取り合うのが厚木市森の里地区の「森の里郷土かるた」だ。毎年5月3日に地元で開かれる「鯉(こい)のぼりまつり」で子どもたちが取り合う。
「かるたを通じて古里の良さを知ってもらいたい」。住民有志でつくる地区の文化振興会が2010~11年度に制作した。中心となった三橋敬司さん(74)は「森の里は新しく造成された住宅地だが、子どもたちにとってはここが古里だから」と、かるたに託す思いを語る。
読み札は公募。地元の小中学生らから約450の案が集まった。「蛍舞う清い流れの細田川」「D51がデンとひかえる森の里」…。選考の末44枚に絞った。取り札を彩る絵は地元の中高生らが描いた。
当初は通常サイズだったが、外遊びで使えるようにと縦40センチ、横30センチの大判かるたを制作。さらにジャンボかるたに発展した。
新型コロナウイルスの感染拡大で昨年の鯉のぼりまつりは中止になった。今年はまた、元気にジャンボかるたを取り合う子どもたちの姿が見られることを関係者は願っている。
ジャンボかるた 古里の魅力、外遊びでも 厚木
ジャンボかるたの取り札を手にする三橋敬司さん [写真番号:465525]
広場でジャンボかるたを取り合う子どもたち(2015年の鯉のぼりまつり) [写真番号:465526]