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地域特集2021年 横須賀 食に携わる若手生産者(2)
仲間と協力し笑顔で  鎌倉・三留綱太さん 漁業

話題 | 神奈川新聞 | 2021年1月4日(月) 16:30

自身の船「大観丸」とともに笑顔を見せる三留さん=鎌倉市内

 冬はサザエやヒラメの刺し網漁。春は養殖ワカメ、夏はタコ…。魚も、漁法も四季で異なる、奥深い海で生きる漁師、三留綱太さん(30)。鎌倉漁業協同組合8年目の若手だ。

 早い日は午前2時に起き、坂ノ下海岸から漁船「大観丸」で海へ。その日取れた魚介を業者や地元店へ卸す。鎌倉漁協は漁港がなく、1トンほどの船は漁師が砂浜などから自力で出し入れしなければならない。「みんなで船を運び、魚が取れないときは励まし合う」。ライバルだが、「仲間で協力しないと漁はできない」と言う。

 同漁協で組合長を務めていた「酒好きで陽気なじいちゃん」だった祖父和男さん(享年90歳)の漁を、小学校低学年から手伝った。「外の世界を見たい」と大学に進んだが就職活動の時期に和男さんが入院し、大観丸を継ぐと自ら決めた。

冬の海で漁にいそしむ三留さん(三留さん提供)

 「漁の腕は天下一品」と誰もが認める和男さんに、壊れた網の直し方などの技術や多少の波にはひるまない気合などの心得を教わった。

 網にウミガメが痛そうに引っ掛かって驚いたこと、珍しいアンコウが取れたこと…。「いろんな魚がいる大事な海」で出合った生き物との思い出を語る姿に、幼い頃から見守ってきた事務職員左右田京子さん(66)と木村和俊組合長(57)は「優しい綱太らしいね」と思わずほほ笑む。

 地元の力になろうと地道な活動も続ける。今はコロナ禍で中止だが、住民に地元の魚を味わってもらう朝市に毎月参加し、磯焼け対策で海藻保全にも汗を流す。「俺なりに、大観丸の漁を笑って続けたい。地元に根差した漁を仲間と楽しくやっていくのが、一番っすね」

 
 

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