厚生労働省が民間譲渡を決めた川崎社会保険病院(川崎区)の譲渡条件について、川崎市は3日、同病院を保有する独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構に許可病床の保全などを求めた意見書を提出した。国は6月までに売却を決めたい方針という。
民間譲渡に当たって、同機構は地元自治体の意見を聞いた上で、具体的な仕様書を作成し一般競争入札で売却先を決める。意見書では、同病院を引き続き医療、介護の連携拠点と位置づけ、(1)許可病床308床の保全(2)差額病室ではない病室(部屋代が不要)を病床種別ごとに確保(3)市民、事業所を対象とした健康診断の継続(4)2年以内に100床以上の療養病床を整備(5)介護老人保健施設100床の運営(6)緩和ケア病床の確保―などを求めている。
同病院の病床利用率は41%と低く、累積赤字は約47億8500万円に上る。同市の担当者は「かけがえのない地域医療機関として、予防、急性期、亜急性期・慢性期、終末期、災害医療を担い、市内の医療機関などと緊密な連携を維持するよう努めてほしい」としている。
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