
平塚市の「津波浸水モデルシミュレーション」を説明する防災講演会が22日、同市追分の市中央公民館で開かれた。作成に当たった東海大大学院総合理工学研究科の山本吉道教授が講演し、平塚で津波の被害が想定されるのは、千年に1回の頻度のマグニチュード(M)8・5級の大地震のケースだとし、その際の市内の浸水状況を解説した。市民の不安を反映し、700人の会場には約1200人が詰めかけ、200人がロビーでテレビを視聴、300人が参加を諦めて帰る事態となった。
山本教授は、直下型地震や東海地震、関東地震(M8級)の場合、平塚は高さ約8メートルの国道134号と、相模川、花水川の堤防で津波から守られると説明した。ただ、千年に1回のM8・5級の場合、震源が沖合90キロの元禄地震型の場合には最大10メートル、同160キロの慶長地震型の場合は6・8メートルの津波が平塚を襲う可能性があるとした。
シミュレーションでは、6・8メートルでは相模川、花水川河口が浸水。10メートルの場合は国道134号を越えて市内中心部が水没するとし、山本教授がその状況を解説した。相模川に注ぐ排水溝の水門が閉められるかどうかが浸水状況に影響を与えることなども示した。
質疑で市民からは、相模川、花水川河口周辺地域について、情報伝達体制を強化する必要性が訴えられた。
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