川崎臨海部を中心とした国際戦略総合特区構想について、川崎市は19日の市議会本会議で、同地区で進められるライフサイエンス(生命科学)分野と、「新川崎・創造のもり」地区を拠点とした超微細(ナノ・マイクロ)加工技術分野との連携を強化し、研究者の交流などを通じて医療分野などで新技術の実用化を進めていく方針を示した。
特区構想では、「京浜臨海部ライフイノベーション」として、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を活用した再生医療による脊髄損傷の治療や、医工連携による革新的医薬品、医療機器の創出を掲げている。川崎臨海部(殿町3丁目地区)では、研究開発や産業化の要となる臨床研究、治験の拠点として実験動物中央研究所(実中研)が運用を開始している。
一方、新川崎・創造のもりでは、医療や環境など成長分野への応用が期待される超微細加工技術の領域で、慶応大学を中心に4大学が共同研究に着手。2012年度には、ナノ・マイクロ産学官共同研究施設の研究棟、大型クリーンルーム(約750平方メートル)の運用を開始する。
答弁で、市側は「こうした世界的に優れた技術は、副作用の少ない医療品や、少量の血液で検査が可能となる医療機器など、ライフイノベーションの分野でもさまざまな形で活用され、今後も期待されている」と指摘。その上で「ライフサイエンスとナノ・マイクロの両分野を組み合わせた新たな技術の実用化を促進していきたい」と、特区構想の具体化へ向けた方向性を示した。
民主党の木庭理香子氏の一般質問に市側が答えた。
【】