県は9日、エネルギー関連産業の集積を2014年度までに現状の3倍以上(18件)に拡大させるなど、27項目の数値目標を盛り込んだ新たな実施計画「かながわグランドデザイン」(素案)を明らかにした。震災後の社会変革を見据えて見直した「基本構想」の重点プロジェクトと位置付けている。
黒岩祐治知事は知事選で具体的マニフェスト(選挙公約)を掲げなかったが、有識者らでつくる県総合計画審議会から「達成度評価には数値目標が欠かせない」との指摘を受け、各項目に数値目標を設定した。
エネルギー政策では、エネルギー関連産業の集積を図るほか、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入促進に取り組む。災害対策では、津波避難に対する県民意識を14年度に60%(17ポイント増)まで向上させる。
自殺対策では、自殺サインに気づき適切に対応する人材を現状の2倍(3万人)に増やすほか、いじめ認知件数の改善も図る。また、城ケ島や大山など観光地4カ所を「にぎわい拠点」とする地域活性化や、国際競争力と雇用を生む活力創出にも力を注ぐ。
実施計画のベースとなる「基本構想」は、25年度を目標年次とした県政運営の指針。震災や原発事故に伴う社会環境の変化を踏まえ、07年策定の「神奈川力構想」を見直した。黒岩知事が掲げる「いのち輝くマグネットかながわ」を基本理念とし、電力不足や災害、放射能対策に関する新たな方向性を盛り込んだ。
素案は今月中旬から募集する県民意見を反映させ、来年3月の策定を目指している。
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