逗子市出身の2人組音楽ユニット「キマグレン」が経営する海の家「音霊(おとだま)」が逗子海岸に杭(くい)を放置していた問題などで、逗子市議会教育民生常任委員会は4日、キマグレンの1人で音霊代表のクレイ勇輝さんから意見を聞いた。クレイさんは「故意ではなく、抜き忘れ」と釈明した上で謝罪し、杭への番号付けを盛り込んだ防止策を示した。
同常任委は杭問題を契機に、クレイさんと音霊が加盟する逗子海岸営業協同組合の真壁克昌理事長の2人を参考人として招致。騒音や風紀の乱れといった海の家をめぐる諸問題を加えて意見を聴取した。
クレイさんは冒頭、「(放置は一昨年の)前回もそうだが確認不足で申し訳なかった」と謝罪し、「報告書と今後の対策」と題した書類を提出。それによると、放置杭は計11本、長さは1~1・5メートル、直径が10~15センチ。クレイさんは「海の家の解体後、杭を集積した場所の下を建設業者が抜き忘れた」と明かし、(1)建築時に200本の杭に番号付けし図面に落とす(2)すべての杭をロープでつなぐ(3)解体時に図面上の数と照合する―などの防止策を示した。
騒音問題では「ルールはきちんと守ろうと思っている。日々のライブの音量は測定器で測って調整。出演者の演奏曲をカットするなどして(音出し終了15分前の)午後8時半以降は音を出していない」と説明した。
真壁理事長は、営業時間短縮について「かつては24時間営業していたが現在は原則午後9時までとし、今年から音出しも制限した。これ以上の短縮は(採算の点で)難しいのではないか」との見方を示した。
飲酒などに関連した風紀の乱れでは、クレイさんが「大量の酒を自ら持ち込む例もあるが、海の家の利用者以外の人には注意しにくい」、真壁理事長は「持ち込みの酒による海水浴客の泥酔などに対応するため、新たに警備員を雇用した」とそれぞれ現状報告した。
市が目指すファミリービーチの実現に向けては、クレイさんが「市や市議会、市民と相談し、すてきなビーチにしていきたい」、真壁理事長は「住民を入れた三位一体の態勢ができればと感じている。子どもたちの嫌う大声、酔っぱらい、けんかがないように努力したい」と述べた。
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