知事と政令市長が共通テーマで意見交換する「第37回県・横浜・川崎・相模原四首長懇談会」が12日、県庁で開かれ、児童虐待防止策の強化に向け自治体間における情報共有の徹底を図っていく方向で一致した。虐待が疑われる家庭が転居した際の引き継ぎ方法などを県内で統一し継続的な支援につなげる考えで、2012年度当初の制度化を目指す。
県内の児童相談所による10年度の児童虐待相談対応件数は7466件に上り、過去最多を記録した。各自治体は虐待が疑われるケースの早期発見に努めているが、管轄区域から引っ越した後に支援や見守りが途絶え、問題が深刻化するケースなどが目立っている。
転居時の情報提供は、各児相間では国の統一基準で対応しているものの、保健所や一般市町村の母子保健部門ではルール化されていないのが現状。乳幼児健康診断などで子育て家庭に接する機会が多いにもかかわらず、虐待関連情報の提供は各市町村の独自判断に委ねられているという。
同日の四首長懇談会で、横浜市の林文子市長が「転居後も継続的な支援が行われるよう、県内で統一ルールをつくっていきたい」と提案。他の首長も賛同し、共同で研究を進める方針を確認した。共有する情報は家庭状況のほか、支援・措置内容などを想定。個人情報の取り扱い基準などを明確化した上で制度化する。
懇談会ではこのほか、地方分権改革や羽田空港を核とする国際競争力強化などについて国に提言することで一致。川崎市を中心に進めている「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区構想」に関する取り組み方針も確認した。
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