9日投開票の愛川町議選は選挙戦の終盤に入り、各陣営ともさらなる1票の積み重ねに全力を注いでいる。
注目は、引退を表明した議員の票の行方だ。今回で6人の現職が引退するが、その半数は後継不在といわれる。積極的に取り込もうとする陣営がいる一方で、「(各陣営の)草刈り場となるか、(投票せずに)寝てしまうか」と様子を見守るところもある。
町内では自治会は「区」と呼ばれて組織力があり、選挙の際は力を発揮する。区の支持を取り付け地元を固める候補や、全町内に政策を呼び掛けて支持を訴える候補などスタンスはさまざまだ。「よその区では辻(つじ)説法はしづらい」と遠慮する声も多く、地元の区内で1日に10カ所以上立つ陣営もある。
鉄道駅がないために「へそ」といえる場所がなく、多くの候補者は地元の交差点やスーパーなどで朝立ち、辻説法を展開する。地元を固めた上で、他地区では主にスーパーで演説を重ねる陣営もある。一方で、「演説お断り」のスーパーもあるという。
各陣営とも、定数2減により当落ラインは上がるとみる。前回2007年は560票前後だったが、「今回は700票近くいくのでは」と分析する選対幹部が多い。政党も組織の引き締めを図る。
気になる投票率は前回(54・58%)並みか微減とみる意見が多い。投票日が3連休の中日となることで有権者の足が遠のくことを危惧する声もあれば、「支持者はお年寄りが多く、影響はない」と意に介さない陣営もある。
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