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三つどもえ、蓮舫、前原、玉木氏出馬 民進代表選15日投開票

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2016年9月3日(土) 10:39

民進党代表選の記者会見を終え、ポーズをとる(左から)玉木雄一郎国対副委員長、前原誠司元外相、蓮舫代表代行=2日午後、東京・永田町の党本部(共同通信)
民進党代表選の記者会見を終え、ポーズをとる(左から)玉木雄一郎国対副委員長、前原誠司元外相、蓮舫代表代行=2日午後、東京・永田町の党本部(共同通信)

民進党代表選の記者会見を終え、ポーズをとる(左から)玉木雄一郎国対副委員長、前原誠司元外相、蓮舫代表代行=2日午後、東京・永田町の党本部(共同通信)
民進党代表選の記者会見を終え、ポーズをとる(左から)玉木雄一郎国対副委員長、前原誠司元外相、蓮舫代表代行=2日午後、東京・永田町の党本部(共同通信)

 民進党代表選は2日告示され、蓮舫代表代行(48)、前原誠司元外相(54)、玉木雄一郎国対副委員長(47)の順で立候補を届け出た。15日の投開票へ三つどもえの選挙戦が始まった。3氏は記者会見などで党再生へ決意を示し、国民の信頼回復に全力を挙げる考えを表明。憲法改正を巡り温度差が浮き彫りになった。現執行部が進めた野党共闘には慎重な姿勢が目立った。3氏とも次期衆院選で政権奪還を目指す。3月の党結成後初の代表選で、新代表の任期は2019年9月末まで。

 蓮舫氏は会見で「私が代表になれば(女性の社会進出を阻む)『ガラスの天井』に向き合う全ての人に元気を与えられる」とアピール。前原氏は「旧民主党政権に多くの人が失望した。土下座する先頭には、戦犯である私こそがふさわしい」と述べ、深い反省の上に立って党を再建する姿勢を打ち出した。

 玉木氏は「衆院当選3回で出馬は若過ぎると何回言われたか。でもそんな私が変革の思いをがむしゃらに訴えないと国民に覚悟が伝わらない」と立候補の理由を述べた。

 憲法改正では、3氏がそろって自民党改憲草案に反対と主張。蓮舫氏は「憲法9条、平和主義を守る」と強調した。これに対し前原氏は「自衛隊の位置付けをしっかり議論すべきだ。将来の日本を構想する憲法論議をしていきたい」と、改憲の必要性を説いた。玉木氏は「党内で1年をめどに憲法提言をまとめるべきだ」として、党内での議論加速を呼び掛けた。

 前原氏は、岡田執行部が推進した共産党を含む野党共闘の路線を一度、リセットすべきだと提唱。蓮舫、玉木両氏は共産党と連立政権を組むことはないとしたが、選挙協力の在り方については詳しく言及しなかった。安倍政権が秋の臨時国会で成立を目指す環太平洋連携協定(TPP)の関連法案には、いずれも反対する意向を示した。

 蓮舫氏は、代表に就任した場合、10月の衆院東京10区補欠選挙を含む今後の衆院選に参院からくら替え出馬する可能性について「参院議員ではいけないという認識を持っている。覚悟は行動に移そうと考えている」と、否定しなかった。

野党共闘 3氏慎重 9条改正、見解分かれる


 民進党代表選に立候補した蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎国対副委員長は、野党共闘や憲法改正、経済政策などを巡り、15日の投開票日まで全国各地で論戦を展開する。2日の記者会見や討論会の発言から3氏の主張を比較した。

 岡田克也代表が敷いた野党共闘路線は夏の参院選1人区で一定の成果を上げた。ただ党内保守派の共産党への反発は根強く、3氏はそろって次期衆院選での野党共闘に慎重な姿勢を打ち出した。

 蓮舫氏は「参院選ではばらばらでは絶対に勝てない地域で勝った」と評価。「共闘の基礎的枠組みをどう展開するかは、党員・サポーターらの声に耳を傾ける。綱領や政策が違う政党とは政権を目指さない」と述べた。

 これに対し前原氏は「一度、岡田路線はリセットする」と共闘見直しを明言。「天皇制、自衛隊、日米安保体制、消費税で共通認識を持てる政党としか連立を組むつもりはない」とした。

 玉木氏は「基本的考え方の違う政党とは一線を画す。中長期的に単独で政権を担える政党にならないといけない」と主張。ただ「個々の選挙区事情によって一つの結果に至ることがある」と述べ、容認に含みを持たせた。

 安倍晋三首相が目指す憲法改正に関し、3氏とも改憲論議を拒まない構え。ただ憲法9条へのスタンスは異なる。安全保障政策では全員が日中関係改善に意欲を示した。

 蓮舫氏は「9条を守る」と宣言。党内リベラル派から異論の多い改憲議論について「党に憲法調査会を設置すべきか、代表になったら判断する」と述べるにとどめた。

 これに対し、改憲を持論とする前原氏は「憲法には自衛隊の位置付けがない。党内でしっかり議論すべきだ」と、9条改正に踏み込み「平和主義は守りたい。条件が整えば国会の憲法審査会で議論していく」と訴えた。

 中国に関しては「力で世界のルールを変えようとしている」と警戒する一方、「日中関係は大事。偶発的事故が起きないようメカニズムをしっかり構築する」と語った。

 玉木氏は「党内で1年をめどに憲法提言をまとめるべきだ」と提案。(1)憲法裁判所(2)衆院と参院の関係(3)統治機構改革-を検討項目として挙げた。中国を念頭に離島防衛を重視する立場を強調しつつ「中国との人的交流は拡充すべきだ。日中交流プログラムで信頼関係をつくる」と述べた。

 新代表には安倍政権の代名詞「アベノミクス」への対抗軸を打ち出せるかも問われる。蓮舫氏は「全てのライフステージで安心を取り戻す。安心があれば欲しいものを我慢せず、消費に広がり、企業が豊かになり家計収入に反映される」と説明した。その上で行政改革の必要性を強調し「限られた財源を大事に使う。納めた税金が行政サービスとして必ず返ってくる社会を目指す」とした。

 前原氏は「All for All(みんながみんなのために)」を新たなスローガンとして掲げた。「みんなが少しずつ負担し、受益者になる。格差がなくなり、多くの不安が払拭(ふっしょく)される社会をつくる」と力説した。

 玉木氏は「子ども国債」の発行を主張。子ども、子育て予算を2倍に増やし「誰もが安心して子育てし、教育を受けられる環境を整備したい」と意気込んだ。

自民1強へ「存在感を」 県内議員も走る


 三つどもえの争いとなった民進党代表選。県内の国会議員も各候補の推薦人に名を連ねるなど、代表選を自民党1強で埋没しがちな野党第1党の存在感を高めるきっかけにしようと動きだした。

 蓮舫代表代行の立候補を届け出た牧山弘恵氏(参院神奈川選挙区)は「党の考え方を的確に伝える発信力がある」と評価。蓮舫氏の出陣式に駆け付けた笠浩史氏(衆院9区)も「党改革への揺るぎない意思がある」と期待した。次期衆院選で10区から出馬予定の市川佳子県議も「旧民主党時代のイメージ刷新を」と思いを託す。推薦人には篠原豪氏(比例南関東)が名を連ねた。

 前原誠司元外相の陣営で中核的な役割を果たすのは神山洋介氏(同)。推薦人の一人でもあり、前原氏を「財源や人口減問題など、国民にとって厳しい話も真正面から逃げずに語れる政治家。解決策も明確だ」とアピール。「民進党は何をする政党なのかを知ってもらうことが大事。国会議員票以外の比重が大きいので、永田町にとどまらず世論を喚起していきたい」

 若手の玉木雄一郎国対副委員長の推薦人には阿部知子(同)、水戸将史(同)両氏が入った。阿部氏は「過去の反省に立って『新しい顔』を示す時」と説明し、「沖縄や原発問題など、党の分裂を恐れてあまり触れてこなかったテーマも、スタンスを明示して論戦を」と注文した。

 特定の支持を決めていない青柳陽一郎氏(同)は「各候補の論戦を通じて、身を切る改革への本気度や共産党との関係などをしっかり見極めたい」と話した。

 
 

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