川崎市内の熱中症の搬送者数が今夏、昨年比で約4・4倍となっていることが、市消防局のまとめで明らかになった。特に、屋内にいて搬送される人の割合が、例年よりも増加。6月下旬以降の記録的な暑さに加え、節電に伴うエアコン使用の自粛が影響している側面もあるようだ。
市消防局によると、7月10日までの搬送者は計102人(昨年同日23人)。5月は5人だったが、6月に入って40人と急増。7月もすでに57人に上っている。昨年、延べ人数が102人に達したのは7月23日で、約2週間も早いペースという。
目立つのが、搬送者が屋内にいたケースで、その数は45人。全体に占める割合は44%に上る。昨年の屋内搬送者はわずか17%で、屋外にいたケースが圧倒的に多かった。
また、軽症者が64人で大半を占め、死者はゼロ。男女別では男性73人に対し、女性が29人だった。年齢別では、60代の21人を筆頭に、80代19人、70代16人と高齢者が多かった。
原因として、同消防局は、6月下旬以降の陽気を指摘。平均気温は気象庁が統計を開始して以降、最高の数値を観測しており、各地で猛暑日となった6月29日には13人、7月9日には14人がそれぞれ搬送された。
対策として、同消防局は、十分な食事や休養を心掛けるとともに、こまめに水分を補給するよう呼び掛けている。「節電だからといって無理をせず、室温が28度を超えないよう、エアコンや扇風機を上手に使ってほしい」としている。
【】