黒岩祐治知事は15日、日米地位協定を環境問題の側面で補う「環境補足協定」を念頭に、基地と地元自治体の関係を定める県独自の試案を今夏の渉外知事会総会で提案する考えを明らかにした。同日の県議会本会議で、かながわ民進党の滝田孝徳氏(川崎市中原区)の代表質問に答えた。
試案の方向性については「基地と地元住民との相互協力についての考え方を盛り込んでいきたい」と説明。災害時の協力などを想定しているとみられ、渉外知事会の合意を得た上で国に働き掛ける考えを示した。
知事は本会議終了後、「地位協定本体の改定の話とは一線を画し、環境補足協定のような、もう一つの合意事項を目指している」とし、県が主導して試案を作成したのを契機に、環境補足協定の発効につながった過去の経緯と「同じステップを踏んでいきたい」と述べた。
地位協定は1960年以来改定されていないが、自治体の基地内立ち入り調査などに関する環境補足協定が2015年9月に発効。黒岩知事は昨年2月の県議会本会議で、この補足協定を念頭に「在日米軍と地元自治体との新たな関係を構築するため、独自の試案を提示し、渉外知事会を通じて国に働き掛ける」と答弁していた。