みんなの党の「県版アジェンダ」をめぐり県政界に波紋が広がっている。自民党から知事選出馬を打診された元フジテレビキャスター・黒岩祐治氏は民主、公明、みんななどとの「オール与党態勢」を出馬条件としているが、その前提が崩れる可能性も出てきた。
アジェンダが波紋を広げるのは、その内容が知事にとどまらず県議の身分にも踏み込んでいる点。「議員定数半減」では「現行107から89にし、道州制導入までに半減する」とした。これに対し他党県議からは「知事の仕事の範囲を超えている」(自民ベテラン)などの批判が聞かれる。
黒岩氏は渡辺喜美代表の招きで、同代表が運営に携わる国際医療福祉大学の教授に就任するなど、みんなの党とは関係が深い。しかし「政策がすべて」(江田憲司幹事長)と自認する同党として、親しいが故にハードルを上げた格好だ。
自民党県連の菅義偉会長は12日、神奈川新聞社の取材に「より幅広い支持態勢で黒岩氏を支えたい」と説明。みんなの党の動向を「政策面でのこだわりは各党にある」と評した上で「しかし、自党案の丸のみに固執しては何も進まない」とくぎを刺した。
黒岩氏に対しては、自民のほか、民主党県連が12日、支援方針を決定。公明党県本部も自民と足並みをそろえる方針だ。
知事選には、これまでに鴨居洋子氏=共産党推薦=が出馬を表明。露木順一開成町長も意欲を示している。
【】