自民党県連(菅義偉会長)が4月の知事選で、元フジテレビキャスターで国際医療福祉大学大学院教授の黒岩祐治氏(56)を擁立する方針を固めたことが8日、分かった。9日にも出馬要請を行うが、同党関係者によると、受諾の可能性が高いという。
同じ国政野党の公明党、みんなの党へも連携を打診する方針。民主党や連合神奈川の対応が焦点となるが、自民としては「幅広く支持を得られる態勢が望ましい」(県連幹部)との立場から、「相乗り」を拒まない意向という。
黒岩氏は神戸市出身、早大卒。フジテレビで報道記者、番組ディレクターや、「報道2001」などのキャスターを務め、ワシントン駐在も経験した。自身で企画、取材、編集まで手掛けた救急医療キャンペーンで、放送文化基金賞などを受賞した。
2009年に退社し、現在は国際医療福祉大学(栃木県大田原市、小田原市など)の大学院教授、早大大学院講師なども務めている。
関係者の話を総合すると、「知名度もあり、政策にも明るい。神奈川の顔にふさわしい人」との視点で、2月末から選考を始めていた。黒岩氏については、推薦した県経済関係者を通じて意向を確認。この関係者を通じて8日になって好感触が得られたという。
自民党県連は昨年末の段階で、現職の松沢成文氏が3選出馬した場合、対抗馬を擁立しない方針を決定。2月下旬に松沢氏の都知事選転身が取りざたされて以降、急ピッチで擁立作業を進めていた。
知事選にはこれまでに、市民団体代表で無所属の鴨居洋子氏(66)=共産党推薦=が立候補を表明。露木順一開成町長も、出馬に意欲を示している。
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