横須賀市は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、独自に参加国の事前キャンプ誘致に乗り出す。姉妹都市のある各国の大使館などを通じて情報収集に努めながら、既存の市内スポーツ施設を活用した受け入れの可能性を探る。
野球など候補「若者の刺激に」
市は現在、県と連携して誘致活動を進めており、県の事前キャンプガイドには「うみかぜ公園」(同市平成町)や「くりはま花の国アーチェリー場」(同市神明町)など5施設を掲載。ただ、現時点で目に見える成果は出ていない。
13日に発表した17年度当初予算案には、約19万円と少額ながら独自の誘致事業費を初めて計上。まずは姉妹都市のある米国、フランス、オーストラリア、イギリスに照準を定め、各国大使館などにアプローチする。
ただ、4カ国はいずれもスポーツ大国だけに、誘致のハードルは高いとも認識。市はナショナルトレーニングセンター(NTC、東京都北区)の拡充施設誘致にも力を入れており、国内の競技団体やトップアスリートとのつながりを生かして4カ国以外にも可能性を広げたい考えだ。
受け入れ施設として、過去に国体会場の実績がある「横須賀アリーナ」(同市不入斗町)と、20年五輪で復活する野球・ソフトボールを念頭に「横須賀スタジアム」(同市夏島町)などを候補に挙げる。今年5月には津久井浜でウインドサーフィンのワールドカップ(W杯)が初開催されることから、マリンスポーツ系も視野に入れる。
吉田雄人市長は13日の定例会見で、市体育協会がジュニア選手育成に力を入れていることを挙げ、「事前キャンプを誘致できれば、五輪を目指す若者のいい刺激になるのではないか」と述べた。