別荘文化が息づく観光地としてにぎわい創出を目指す大磯町で、観光客の受け入れ態勢が着々と進んでいる。まち歩きの玄関口となるJR大磯駅前には、新たに多目的広場を整備。2017年度当初予算案に関係経費を盛り込んだ。旧吉田茂邸のリニューアルオープンや「みなとオアシス」(大磯港)の建設も控え、横浜、鎌倉、箱根に続く「第4の観光地」に向けた取り組みを加速させている。
「朝市などができる多目的広場にしたい。集合場所などの拠点となって交流人口拡大につながれば」
町が駅前で暫定整備するのは、町営駅前自転車駐車場(同町大磯)近くの空き地850平方メートルを活用したにぎわい創出の場。約1437万円(当初予算)を充ててベンチなどを備えた多目的広場を整備し、今夏の供用開始を見込んでいる。
駅周辺では12年に町土地開発公社が民間所有の土地約5千平方メートルを買い取り、15年12月に新駐車場がオープン。まち歩きや海水浴などレジャーで訪れる観光客らが集える場がなかった駅前で、駐車場跡地を含めた有効活用策を探っていた。
「第4の観光地」を目指す大磯町内の観光資源は、整いつつある。昨秋、別荘文化を中心とする近現代史を伝える郷土資料館がリニューアルオープン。今年4月1日には、09年に焼失して再建した旧吉田茂邸の一般公開が始まる。2年後には、みなと版道の駅・「みなとオアシス」の建設を控え、民間による町内を巡る多彩なイベントも県内外から注目を集めている。
駅前の再整備を巡っては、